2011年7月22日金曜日


最近、ワールドミュージックの音源を聴いてる事が多く、今一番掘りたいジャンルのひとつ。そのきっかけとして五月に刊行された大石始のGLOCAL BEATSというガイド本に影響を受けたってのがあります。
この本は本当に滅茶苦茶面白い!
ワールドミュージックなんてCD屋の片隅に小さく展開されているだけの物好き向けでいつか衰退していく音楽だ。と思ってしまいがちだけど、インターネットの発達以降、世界各地にヒップホップやクラブが伝わり、その土地で伝承的に鳴らされていた音と不思議に融合して、新しいカルチャーが出来ている。今までもクラブミュージックに民族音楽のエッセンスを投入してみました。なんてものは沢山あったけれどももっと根源的に面白いものがカルチャーとして根付いてきている。そうしたものを評論という形よりもあくまでクラブ側から伝える形でこの本は出来上がっているのが面白い。
Sun city GirlsのALAN BISHOPによりワールドミュージック発掘レーベルSUBLIME FREQUENCIESでの音源は、どんなオルタナティブロックよりも今一番オルタナティブの形を提唱しているのではないかと思えるほどの、サイケ感であふれているし、sublimeのOMAR SOULEYMANは中原昌也がよく聴いているCDにもあげていて、bjorkの今度のRemixを担当するそう(その音源のレコーディング風景がyou tubeにあがっているけれど相当やばい。)

またクンビアなどが今までの土着的な支持という形よりもDJ側に踊れる音源として発見されることで、ダブステップやクリック/ミニマルなどを通過した最先端のベースミュージックにクンビアのリズムを取り入れてみようなんて流れも起こって、デジタルクンビアなるものが出来たことも紹介されている。デジタルクンビアの代表的なレーベルであるZZKのchancha via ciruitoの音源をDJ shhhhhは「ホセララルベ、というフォークロレのおっさんの曲にキックを足しただけなのに、ダブステップ以降の音、テクノ以降の最新の音をちゃんとやっている」と評していますが、従来の民族的なリズムと新しいリズムが不思議に融合しちゃってる例が見れるのではないでしょうか。物凄くワクワクします。

この本は第三世界の人々が感じる軋轢を表現する手だてとしての音楽、レベルミュージック的な要素も紹介されていて、その国々の社会情勢までも紹介されてる。クンビアだって元々奴隷のリズムで、でもなぜこんなにハッピーに踊れるのか。密林でとれたリズムは面白くて、そしてメロディーはサイケ感であふれている。見た事がないものが見たい、聴いた事がないものが聴きたい、知らなかったことが知りたいという気持ちをすごく揺さぶられるようなそんな本でした。ということでここ最近は西新宿のレコード屋のLos Aposon?でエキゾものとして紹介されるものを視聴したり、大阪のNewtone recordsでの辺境、エキゾものを視聴していたりする日々です

2011年7月18日月曜日

久しぶりに一日で書かなくなってしまったこのブログを読み返してみると、前の日記が震災の二日前に書かれていた事に気づき、この頃には二日後に何があるのかなんて全く想像もしていなかったよなと当たり前の事を思ったりした。

ここ四ヶ月間何をしていたか、どんな音楽を聴いていたか、ライブを見ていたか。簡単にまとめてみたいなと思ったので印象的なものだけピックアップ。

5/14 クラムボン at 喜多方大和川酒造北方風土館
蔵元であるVSIQさんに誘っていただいて新宿からバスにのり喜多方までライブを見に行った。当時はまだ余震も激しく、新宿でバスへ乗り込んだときにも福島で震度五近くの地震があったと情報が入り、本当にこのバスは喜多方までつくのか?なんて不安感と共に出発したわけだけれど、無事到着。喜多方で近所のラーメンを食べて、大和川酒造のお酒である弥右衛門を片手にクラムボンのライブへ。今日のライブでは、お客さんがあまり立たない感じなので座りながらしばらく鑑賞。反響する音の環境のせいか音の跳ね返りで初期の軽快な曲が良い感じにファンクナンバーとなっているのはとても素敵だった。コントラストからおだやかな暮らしの流れはこの場所で今鳴らされるのにすごくマッチしてなんだかぼんやりしながら聴いていた。ナイトクルージングの途中で、席の後ろへ行くと好き放題踊ってる連中が沢山いて、おまけに座ってるよりもよく見えるってことでガシンガシと踊りまくる(笑)バイタルサインで座ってるなんてとても考えられない。自分も叫んだり、踊ったり、ビール追加したり。最後はfolkloreで締め。

6/4 クボタタケシ、小西康陽 at 渋谷organ bar
正確な日付はこの日だったのかもう忘れてしまったのだけれどバイトが終わったときに衝動的なノリでクボタタケシのDJが見たいと終電でオルガンバーまで行ったのは覚えてる。今までクボタタケシのDJMIXは何度も聴いていたのに恥ずかしながら初めてクボタタケシのDJを見た。何度も聴いたクボタのクラシックスがorgan barのデカイ音でかかっていて、オザケンの大人になったら→布施明の君は薔薇より美しい→奇妙礼太郎の機嫌なおしておくれよなんて、ミックス通りの選曲をするのには分かりやすくテンションがあがった。

6/11 DJ SHINCO、ECD at 新宿脱原発デモ
原発については様々な意見があるが自分はどうしても原発が恐ろしい、怖いという認識が拭えない。それに化石燃料の枯渇の問題など考えると今後のエネルギー政策考えなおしたほうが良いのではとも思う。この日の先週、普通のデモに参加したときにどこか緊張してしまった。あまりにベタな原発止めろ!という言葉を今までそんな事を言ったことがない人が声をあげるというのは、当たり前だけれど緊張する。自分はサウンドデモという形式がたとえ不真面目に見えても、こうやって恥ずかしさを持っていても声をあげてみたい人達に対して、何か和らげる効果があるのではないかと思った。正直サウンドデモに対してどこか否定的に見ていた部分は自分にもあったのだけれど参加してみて純粋に楽しかった。
スチャダラパーのDJであるSHINCOはヒップホップを基軸としたまにNu-discoのような展開を見せて、そこに原発止めろ!と声があがる、隣でスタンバイしているECDはずっと踊りまくっている。ライブでECDはTB-303のトラックの上でYou tubeに公開された「反原発REMIX」を歌う、まだ公開されていない新曲では「10年たって癌になって親を恨んだりするかもしれない」という言葉が切に響く。デモコースが終わったあとも新宿のアルタ前では音楽は鳴り止まず、DJはhi-tech jazzをかける。ブースの上で松本哉の隣にいるのはストラグルの今里さんじゃね?と友人は言ったけれど実際はどうだったんだろうか

7/3 オール電化フェア at 日比谷野外音楽堂
チケットなんて持っていなかったので野音の漏れてくる音を聴きながら飲んでた。スチャダラが「電気大好き!オール電化フェア!」と掛け声をして始まって、最後はやくしまるえつこの「電気を大切にね」で終わったらしい。

2011年3月9日水曜日


11:00から16:00までうどん屋でのバイト。

先日、駄目元で都内の居酒屋バイトの面接を受けてみたところ、受かってしまったのでこのバイトとはそろそろもうオサラバ。場末感が出てる居酒屋が好みであるけれど次のバイト先である居酒屋は、オフィスビルリーマンを対象とした内装がちょっと小奇麗目のところなので、自分のような人間がバイトとして溶けこめるのかは不安である、というか店長が面接のときにやる気がなかったので大丈夫なのか…と思った。帰宅してからは、とりあえず何もするわけでもなくインターネットをしながらこの前買った音源を消化。

クボタタケシ/ミックスシーディー

クボタタケシによる日本人曲オンリーミックス。小沢健二や布施明の君は薔薇より美しいなどの名曲を男気たっぷりに丸々一曲かけて繋いでいくスタイルは、クラブというよりも誰かのナイスなUSTを聴いているようなそんな感じがしてくる。ずっと酒が飲みたくなるような陽気でちょっとグッとくるナンバーが続いてくるんだけど、突然現れてくる今野英明のデイドリームビリーバーに心臓を掴まれた

「もう今は、彼女はどこにもいない。朝はやく目覚ましがなっても、そういつも彼女と暮らしてきたよ。ケンカしたり仲直りしたり。ずっと夢を見て安心してた、僕はDay dream beiliver、そんで彼女はQueen」

めちゃくちゃ久しぶりに聴いたけど改めて良い曲だなと思った。